自治体の広報誌に「夏祭り」とか「花火大会」の案内が載る季節ですね。
私は30代前半に引っ越してきて、ほとんど自宅と職場の往復の生活なので、こういった地元の行事に参加したことはありません。
でも祭りの日、夕方イオンなどへ行くと、浴衣姿の女子や男子が青春していて、かわいいなぁ~って思います。
さて、夏の祭りと言えば、夜店の屋台が付きものですね。
私が子供の頃は綿菓子やリンゴ飴、たこ焼きや焼いたイカくらいでしたが、今はチョコバナナやベビーカステラなんてハイカラなものもあるようです。
最近は夜店だけでなく観光地や商店街でも、スイーツやちょっとした軽食を気軽に食べられるように、テイクアウト仕様にしているところが多くなりました。
若い人たちが歩きながらそういったものを食べているのを、TVでは「食べ歩き」などと言っているようですが、私はこれがすっごく気になっています。
子供の頃、我が家はしつけが厳しくて、夜店の屋台で買った食べ物はその場では食べさせてもらえませんでした。
綿菓子を買ってもらっても、家に帰ってから、ちゃんとテーブルについて背筋を伸ばして・・・。
それでもかぶりつくなんてことは許されず、手でちぎって口へ運ばなければなりませんでした。
何故なら・・・
「立ったまま、歩きながら食べるなんてお行儀悪いから」
「串に刺さったものにかじりつくなんてお行儀悪いから」
正直、つまらなかったです。
お友達はみんな、買った食べ物にその場で口を付けて、祭り会場をぷらぷら歩きながら楽しんでいるのに、なんでうちはダメなんだろう・・・。
でもそうしないと綿菓子自体を買ってもらえなかったので、我慢していました。
けれど大人になって、これが正解であったと知ることになります。
今から20年ちょっと前、痛ましい事故がありました。
夜店で買った綿菓子を食べながら歩いていた子供が転倒して、喉の奥に割り箸が突き刺さって折れ、病院でそれを発見できずに、結局翌日その子は亡くなりました。
傷が脳まで達していたのです。
このニュースを見た瞬間に、ひどいことを言うようだけれど、私は真っ先に「親のしつけの問題」と思いました。
我が家では「お行儀悪い」と禁止されていたことを、この子の親が子供にさせていた結果ですから。
私はお友達と同じように「歩き食べ」を楽しめなかったけれど、そのおかげで今生きているとも言えます。
この時ばかりは、親のしつけに感謝しました。(普段は毒親ですが・・・)
本来「食べ歩き」とは、いろんな土地へ出かけて名物料理などを食べて回ることを言います。
一方「歩き食べ」は、場所や食べ物の種類を問わず、単に歩きながら物を食べることです。
今、これをごっちゃにしている旅番組・グルメ番組が多すぎます。
しかも後者を「カッコイイ」とか「オシャレ」のように言っているのを聞くと、本当に残念な気持ちになります。
「食べ歩き」で死ぬ確率は低いけれど、「歩き食べ」は自分が怪我をしたり、他人に怪我をさせたりする危険があるのです。
小さな子供が命と引き換えに教えてくれたことを、簡単に忘れないで欲しい。
せめて言葉の使い分けは、正しく。
(できれば「歩き食べ」は、禁止で・・・)
夏祭りの季節になると、毎年思うことです。
私くらいの年代は、同じように思われる方も多いのではないでしょうか?
読んで下さってありがとうございます。