アリギリス日記

50代・一人暮らし派遣社員さんの ささやかな日常をつづる ゆるい日記です

あの人のように優しくなりたい

暑い日が続きますね。

暑いと性格悪くなるのって、私だけですか?

 

ある日、お店の前の長い行列。

入り口の前には大きな扇風機があって、その位置まで進んだ私は涼しいのだけど、後ろの母親と小さな男の子はまだ暑さに耐えている。

「ボク、ここ涼しいよ(^^)」って、言葉は思い浮かんでも、行動に移せない自分。

その理由が、「私だって暑さに耐えてここまで進んだのだから」

 

スーパーの駐車場。

買い物を終えて車に戻ると、私の車の後ろのスペースにピンクの軽が前向きで入ってくるところだった。

乗っているのは金髪プリンのちょっと下品な感じの女の子。その顔が「よっしゃ、あのオバサンすぐ出るわ。前に出ておけば、帰る時に出やすいしぃ~♪」と言っている。

軽くイラッと来て、用も無いのにスマホをいじって時間をつぶす。金髪プリンちゃんはしばらくじれったそうに待っていたけど、そのうち諦めて車を降りてスーパーに向かって歩いて行った。

「私が出た後、あの子が戻ってくる前に、他の車が入ってればいいのに」

 

相手がとてつもない被害を被るわけでは無いけど、かといって私が何かちょっとでも得をするわけでも無い。

というかわざわざそんな意地悪をするのって、時間と労力と精神力の無駄。

そう分かっているのに、優しくなれない自分。

なぜ?って訊かれても、分からないとしか答えられない自分・・・。

 

時は遡って今から50年以上前、大阪万博

私は当時3歳。あの夏も暑かった。

太陽の塔」は中が空洞になっていて、真ん中に展示物が有り、周囲のエスカレーターを昇りながらそれを眺めるという感じだったと思う。

歩き疲れて母の背中におぶさって、暑さでグッタリの私。

ふと気がつくと、後ろの見知らぬおじいちゃんがニコニコ笑いながら、白い扇子であおいでいてくれた。

その時、母はお礼を言ったけれど、小さかった自分が「ありがとう」を言えたかどうかは覚えていない。

扇子の飾り紐に小さな緑色の玉が付いていたのだけ、やけにハッキリ覚えている。

 

 

ご自分だって暑かったに違いないのに見知らぬ子供に優しくできるその人を、こんな暑い日は懐かしく思い出す。

 

多くの人に助けられて生きてきたのに、自分はその恩を返せているのか?

貰うだけ貰って、何も返さず生きて、死んで行くのか?

 

 

やっぱりそれじゃダメだから、「明日こそ」と思って生きて行く。

 

 

読んで下さってありがとうございます。