今から5年くらい前のお話です。
私はとある企業のある部署で、Excelを使ったデータ集計をやっていました。とあるシステム上のデータを、加工して、加工して、集計して最終結果を報告するのがお仕事です。
けれど、先輩派遣さんから教えてもらったやり方というのが、あまりに原始的でビックリ!PC画面上の2つの表を目視で比較して、2000行以上あるデータの変更箇所を探すなんて、目が死にます(+_+)!おまけにそのシステムは書き込みは出来ないので、チェックした箇所は全部手書きのメモで覚えておくしかありません。
これじゃあまりにも、作業効率悪すぎ・・・。
当時、その部署でExcelマクロが分かるのは私だけでした。なのでみんなの仕事が楽になればと思い、そのシステムの元データをダウンロードさせてもらって、Excelのマクロで加工するツールを作りました。
簡単に手順を書くとこんな感じです。
①元データAを加工して、表Bを作る
↓
②表Bを加工して、表Cを作る
↓
③表Cを集計して、最終結果の表Dを作る
私は手順書(シート1)のそれぞれの段階にマクロ実行ボタンを置いて、順番に実行できるようにしました。ところがそれを見た上司は、
「何なのコレ?なんでボタン一つで最後まで一気に出来るように作れないわけ(-_-;?」
だそうです。
確かに、上司の言ったような作り方も出来ます。けれど実務をやっていると、元データにイレギュラーな値が入っていたり、元データを作っている部署が予告無く運用を変えてしまって、マクロがエラーになることはしょっちゅうあるのです。最初から最後までをボタン一つにしてしまうと、コードを読めない人はどこでどうしてエラーになったのか分かりません。なので私は、1段階ずつ処理を実行して、どこでおかしくなったのか分かるように作ったのです。そしてエラーを検証するために途中で表Bを加工してB’を作ってみたり、表Cを加工してC’を作ってみたり、そういうことも実務担当者はやっているので、その利便性も考えてのことでした。
ということを、上司に一生懸命説明したのですが・・・。
「・・・フン(`ヘ´)!言われた通りに作れ!」
だそうです(@_@;。
あ~あ、実務を知らない人間が、実務担当者の足を引っぱる最悪のパターンだわ。
「分かりました」
そう言って、私は上司の気に入るようにコードを書き換えました。
これで、実行ボタンは1つになりました。
上司は満足そうにニヤニヤ笑いながら、私の顔を眺めていました。
このような場面で、「生意気を言う派遣に、ビシッと言ってやったぞ!」的な顔をされる正社員さんは結構いらっしゃるのですが、派遣が主張を取り下げて指示に従う時の気持ちは大体こんな感じです。
私の契約業務に「人材の育成」は入っていませんから
期限が来たらオサラバする身、後のことなど知ったこっちゃないです(^^)。
そんなこんなで、不便なマクロツールが公式採用されたわけですが、当然そんなツールは実用に耐えないので、私と仲良しの派遣さんは前のバージョンのツールをこっそり使い続け、特に不便はありませんでした(^^;。
ただ、私とその子がいなくなった今、後任が苦労しているかも?とちょっぴり心配ではあります。もしかして私より高スキルの人が入って、私のよりもっとレベルの高いツールを作ってくれていたらいいのになぁ・・・と、たまーに懐かしく思い出します。
読んで下さってありがとうございます。