この歳まで生きてくると、周囲の既婚女性で「夫が大病を患って・・・」という人も出てきます。
一度も夫を持ったことのない身としては、その時の彼女らの振る舞いが、本当に人それぞれで興味深いです。
今日は、そんなお話しです。
知人女性A。50代半ばの頃に、50代後半の夫ががんを患った。
夫は超大手企業の基幹職の高給取りで、企業独自の健康保険からは給与の8割の傷病手当が出るし、長期入院したからといってすぐに生活に困ることはない。
彼女自身も3人の息子の学費などのためにずっと事務のパートをしていたし、子供は全員自立、ローンの無い持ち家、いざとなれば自分の食い扶持くらいは自分で何とかする覚悟はあったのだと思う。
そんな彼女が夫の看病の傍らしていたことは、いわゆる「民間療法」。
なんでもビワの葉っぱをどーやらして背中に当てると効果があるとか?
一生懸命ビワの葉っぱを集めてました。
効果あったかどうかは知りません。
50代知人男性Bの、同い年の奥さん。
夫ががんを患い、治療に専念するために仕事を休職した。
公務員なのでお給料は良いし、傷病手当も8割だし、すぐに生活に困ることはない。
けれど彼女は、「私がしっかりしなくちゃ!」と、深夜の食品工場でコンビニ向けのおにぎりを作るパートを始めた。
知人B曰く、
「そんなことまでしなくていいと言いたいけど、本人が前向きに何かしていないといられない状態みたいだから、好きにさせてる。身体に無理が来ていないかどうかは見てるけどね」
だそう。
お互いに学校教師で職場結婚。
奥さんは結婚後は家庭に入ったとはいえ、この夫婦は精神的にまったく対等だった。

知人女性C。今の職場で一緒にお昼を食べている派遣仲間。夫有り、子供なし。
私がシングルで自活していることを知ると、
「婚活しないの!?」
「私はもし夫が先立ったら、一人じゃ寂しいから、パートナーを探すわ」
ですと。
そんな彼女の夫が、血管系の病気で緊急手術をした。
「夫が倒れて、初めてたこちゃんが一人で生きてるのってどういうことか知ったわ。私もう不安で不安で、毎日泣いてたわ!」
退院後もしばらくは在宅勤務などで調整が必要で、彼女は仕事を休んで夫に寄り添った。
まあ、夫の方にも傷病手当は出ていただろうし、彼女の給料が減ってもすぐに生活に困ることはない。
何だかんだ言ってご主人のこと大事なんだな・・・と思っていたのですが。
「考えてみたけど私、自分のお給料じゃたこちゃんみたいに生活していけないわ。だから何としても主人には頑張って働いてもらわないと!」
・・・ちょっと待て、そのために寄り添ってるの(・・;)?
夫が倒れたら、自分が頑張って稼いで、夫を支えようという気は無いの!?
またまた身内の恥ですが、私の実姉。
夫がうつ病を患い、4ヶ月間休職した。
私はその話を、復職してしばらくたった後で聞いた。
無事に復帰できた安堵感からか、姉の口ぶりは本当にお気楽モード。
私は姉に訊ねた。
「それでお姉ちゃん、旦那さんが休職してる間、何してたの?」
姉曰く、
「は?別に?いつも通り家事して、レンタルビデオ見たり・・・」
ですと。
この人の頭の中は、あくまで自分は「専業主婦ライフを手放す気は無い」というか、「養ってもらって当然」というか、「自分はそれだけの価値のある存在」というか・・・。
それが原因かどうか(おそらく遠因ではあると思うけど)、結局離婚を言い渡され、「愛情」というアドバンテージも何も無い労働市場に放り出されることになった。
運良く仕事にありついて自活できてはいるけれど、もしも時間を巻き戻せるなら、彼女は病んだ夫に対してどんな風に振る舞うんだろう?
本当に、女っていろいろだな・・・と思う。
自分だったらどうするだろう?って考えてみるけれど、残念ながら誰の顔も思い浮かばない。
昔はまだ心の夫として、好きなシンガーとか俳優さんの顔が浮かんだのに、それも無いのはちょっと寂しい秋の夜長です~(^^;
読んで下さってありがとうございます。