以前、こんな記事を書きました。
最近、行きつけの雑貨屋の店員さんと話していて、お客さんからのクレームの話になりました。それも「そんなこと店側に言っても仕方ないじゃない?」という内容のクレームです。
私は自分が販売員経験者であることを明かしていないので、その場では「そうなんだねー」くらいで済ませたのですが、家に帰って思い出してみると、「そういえば私もいろんなクレーマー客にからまれたなぁ」と思い出すことがいくつもあり・・・。
今日はその中で、「まだ笑える程度のヤツ」をご紹介します。
1・「超合金ではありません」
ある日、大学生くらいのカップルが店頭のショーケースをのぞき込んでいました。店はショッピングモール内にあり、入り口付近には安価なシルバー製品が置いてあるので、学生さんでも入りやすいのです。
彼氏「先週さぁ、このシルバーのブレスレットをペアで買ったんだよね」
私「まあ、それはありがとうございます」
彼氏「でもさぁ、1週間しないうちに、プレートがぐにゃっと曲がっちゃったんだよ」
私「それはお気の毒です。何か力を加えるようなことされましたか?」
彼氏「引き出しを閉める時に挟んだんだよ」
私「ああ、それは曲がりますね」
彼氏「でもさぁ!1週間だよ!?たったの1週間!」
彼女「・・・もう、やめなさいよ」
彼氏「普通1週間で曲がる!?曲がる?たったの1週間で!」
よく金やプラチナなど貴金属は「固いもの」と思われがちですが、全然そんなことはなく、力を加えれば簡単に曲がります。だって「超合金」ではないですから。
お客さんにしてみればそれなりのお金を出して購入したのだから、すぐに曲がってしまったのは残念だったかも知れませんが、買った後の使い方まで店側は責任持てません。
これ以上このカップルを相手にしていても、1円の売り上げにもならないので、ほよよ~んとした顔で言ってみました。
私「昨日買った新車でも、今日事故ったら廃車ですよね(・・)?」
一発でお帰りいただけました(^^)v
2・「問題は順番では?」
貴金属店のお客様にはいわゆる水商売の方もいらっしゃいます。(というか大事な顧客様です。)
ある時、私の顧客様では無いけれど、何度かジュエリーを購入された女性が来店されました。
顧客「この指輪、ストッキングをはく時に引っかかってすぐ伝線するのよ!何本ムダにしたと思ってるの!?」
私「それはお気の毒で・・・」
顧客「ストッキングと言ってもね、アナタたちがはくような安物じゃ無いのよ?1足2,000円とか3,000円とかする高級なヤツなのよ!」
私「お客様は、夜寝る時もその指輪をはめていらっしゃいますか?」
顧客「いいえ、寝る時は外すわ。朝起きて、1番にはめるのよ」
私「でしたら先に着替えを全部済ませて、最後に指輪をはめるように順番を変えてみたらいかがでしょうか(・・)?」
顧客「・・・」
それ以上何も言わなかったところを見ると、気がついていなかったらしいです(^^;
3・「ジュエリーというものは・・・」
これは顧客さんではなく、たまたま店に来たお客さんです。
お客「この指輪ね、せっかく買ったんだけど家事をする時にすごく邪魔になるのよ」
見ると、でっかいダイヤの付いたゴージャスな指輪。
石の留め方はいわゆる「たて爪」、昔から婚約指輪などによくあるデザインです。
私「このデザインですと引っかかりやすいですね。もう少し角の少ない留め方の方がいいですね」
お客「でもこのデザインは気に入ってるの。でも家事をする時に邪魔なのよね」
私「家事をする時には、外した方が良いかも知れませんね(^^;」
お客「お気に入りだからいつも付けていたいのよ!けど家事が出来ないのは困るわ。デザインは好きなんだけど、家事をする時に・・・」
家事をする時に・・・
家事をする時に・・・
家事をする時に・・・
これ以上この人を相手にしていても、1円の売り上げにもならないので、ほよよ~んとした顔で言ってみました。
私「でもジュエリーって、元は自分で家事をする必要の無い身分の方々のためのものでしたから(・・)」
それ以上何も言わなかったところを見ると、ご納得いただけたようです(^^;
※石が付いていたり、繊細なデザインの指輪は、家事をする時には外した方が良いです。知らないうちに石に傷が付いたり、地金部分が曲がってしまうことがあります。
またトルコ石や真珠、オパールなどは、表面に染み込んでしまう危険があるので、なるべく汗や水に晒さないようにしましょう。
4・「Never!」
私のいたお店は時計も扱っていましたので、ネットで型番を調べておいて、安い店を探して来店される方もいらっしゃいました。
ある時、中国系の観光客男性4人組が来店して、1人がある高級時計を試着されました。
男性「Discount!(値引きしろ)」
開口一番それかい、と思いましたけど、ここは売り上げが大事ですから、笑顔で電卓を取り出します。「このお値段でいかがでしょう?」なんて英語は知らないので、店長から許可されている10%オフの価格を打ち込んでお見せしました。
男性「No!No! More Discount!」
私の手から勝手に電卓をひったくり、彼が打ち込んだ数字はなんと半額!
ざけんなゴルァァ!と言いたい気持ちを笑顔で包み隠し、もう一度10%オフの価格を打ち込んで提示。
男性「No!No! Discount!」
また電卓をひったくって、半額を提示。
私「No!(^^)」
また10%オフを提示。
男性「Discount!」
また半額を提示。
延々とこの繰り返し。
諸外国では店側が迷惑客をバッサリ追い返すことは日常ですが、日本では店員はお客さんに対してあまりきつい態度は取りません。だから彼らは舐めているんですね。
でもね、私、舐められるのは大嫌いだし、これ以上この人たちを相手にしていても、1円の売り上げにもならないので、真顔で言ってみました。
私「Never!(絶対イヤ)」
一発でお帰りいただけました(^^)v
他にも、ネックレスを身につけていたらいつの間にか無くなっていたから補償しろと言ってくる人とか、男性店員と恋愛関係にあるつもりの妄想主婦とか、イヤラシイ言葉をつぶやきながら手を握ってくるクソ親父とか(^^;、いろいろ困ったお客さんはいらっしゃいました。
私が知っているだけでコレですから、ショッピングモール内の他の店も含めたらどんだけの数になるんだろう?って、知るのが怖いですね(^^;
もう販売のお仕事はこりごりです(+_+)。
読んで下さってありがとうございます。