アリギリス日記

50代・一人暮らし派遣社員さんの ささやかな日常をつづる ゆるい日記です

ヒューマンエラーは無くならない!?

静岡県の幼稚園で、3歳の女の子が送迎バス内に取り残され、熱射病で死亡した事件。

どんな理由でバス内に残ったのか今となっては分からないけれど、乗った人数と降りた人数を確認しなかったのは明らかに園側の落ち度。

思い出す度に心が痛みます。

 

実は私も幼稚園の頃、送迎バスに取り残されではないけれど、反対に「乗り損ねた」事があります。

その日は帰りのバスに乗るまでに少し時間があって、園児たちは園庭で思い思いに遊んでいました。

私は拾ったチョークのかけらをこっそりポケットに忍ばせていて、人目に付かない建物の陰に入ってコンクリの地面に落書きをして遊んでいました。

 

その幼稚園のすぐ隣には園長先生の自宅があって、建物を回り込むとこれといった柵も無く自由に出入りが出来ました。

落書きに夢中になって、気がつけばこれまで入ったことの無い園長宅の庭にぽつんと一人。

怖くなって、コンクリに描いた落書きをたどって園の方へ戻ると、帰りのバスは発車した後。

先生たちが私を見て、目をまん丸にしていたのを良く覚えています。

(先生が家に電話して、母親が自転車で迎えに来ました(^^;)

 

みんなで大笑いして済んだ事件だけど、一歩間違えばどうなっていたか?

 

もし私が、どこかで転んで怪我をして動けなくなっていたら?

もし園長宅の庭に池があったら?

もし真夏か真冬で、夜まで一人で放置されていたら?

 

最悪のケースはあったのかも知れません。

 

 

話は変わりますが、何年か前に物流会社へ派遣で行っていたことがあります。

物流会社とは、大きな倉庫にお客さんの商品を預かって、お客さんの指示に従って商品をいろんな得意先へ配達するお仕事です。

倉庫内にはたくさんの棚に多種類の商品が入っていて、それぞれに入荷数と出荷数を記入する書類が付けられていました。

 

 

 

毎日、夕方になると、理論上の在庫数と実際の在庫数が合っているかを確認します。

ある日、とある商品の数が合いませんでした。

作業員はすでに退社した後で、仕方なく事務方の私たちで倉庫内を探し回ること30分。

ようやく出荷場に並べられたパレットの上で、間違って出荷されそうになっていた商品を見つけました。

社員さん曰く、こういったミスは珍しいことでは無く、何重にもチェックする体勢が取られているとのこと。

 

入出荷票(①)

①にミスがないかを確認したという書類(②)

②にミスがないかを確認したという書類(③)

③にミスがないかを確認したという書類(④)

 

それぞれ、作業員A、作業員B、リーダー、班長と、複数人がチェックの上で捺印することになっています。

何度もミスをして、その度に書類が増えていった経緯が手に取るように分かります。

 

それでも誤出荷が起きるって、どういうこと(-_- !?

 

おそらく毎日のように同じ作業を繰り返していると、書類を①~④まで作ることが目的になってしまって、「何のためにやっているのか」が失われてしまったのでしょう。

Aが確認したはずだから、Bが確認したはずだからと、上司は自分でチェックにも行かずに捺印だけしていたようです。

 

 

園児の死亡事故に戻りますが、再発防止のために出来る事って何でしょうか?

「これからは○○する体勢を取ります」

「これからは××します」

・・・など、とても大切だとは思います。

けどそれだって長いことルーチンワークとして続けていると、「何のためにやるのか」の部分が失われて、「異常ありません」の報告をするのが目的になってしまいそうで、私は怖いです。

もっと何か、ヒューマンエラーの起こりえないシステムがあればいいのに・・・。

自動車メーカーか、それとも防犯システムの会社か、何か考えて商品化してくれないかなと思います。

 

亡くなった女の子のご冥福をお祈りいたします。

 

 

読んで下さってありがとうございます。