アリギリス日記

50代・一人暮らし派遣社員さんの ささやかな日常をつづる ゆるい日記です

自由に生きると決めた日

以前、こんな記事を書きました↓。

 

tako-chan.hatenadiary.com

 

世間では「毒親」というと、食事を与えなかったり暴力を振るったりといった虐待がクローズアップされるようですが、全ての根底にあるのは「自分の価値観で相手を支配すること」だと私は思っています。毒親は暴力も「躾け」と言うそうですが、それもいわば個人的な価値観の押しつけですからね。

 

私の母親は、本人は「おっとりした性格の、優しいお母さん」を自称していましたが、実は異常なくらい自分の理想に忠実な人でした。

 

子供の頃、この地方には珍しく雪の降る大晦日。母はなぜかそういう日に限って「家族みんなで仲良く大掃除!」という理想に燃えていました。

「アンタは窓ガラス拭きをやりなさい」と母。

「今日は寒いから、雪がやんでお天気の良い日にやりたい」と私。

外は雪。ダウンジャケットもヒートテックも無い時代です。こんな日に外で冷たい雑巾握って窓拭きなんてしたら、絶対に風邪をひく。誰でも簡単に想像できそうなものですが、母は違いました。

「大掃除は絶対に年内に済ませるの!今日やりなさい!今やりなさい!早く!」

 

普段は、

「アンタは体が弱いんだから、アレしちゃダメ、コレもダメ!ああしなさい、こうしなさい・・・!」

と、口うるさいのですが、「大晦日に家族揃って大掃除」という理想の下では、そんなものはどうでも良くなるのが、私の母でした。

 

ここで逆らおうものなら、またおかしなキレ方をされて余計に面倒になる・・・。

 

仕方なく雪の中、私は寒さに震えながら窓ガラスを拭き、お正月は見事に風邪で寝込みました。

いつか大人になったら、自分は絶対お母さんみたいにはなりたくない・・・。

幼心に、ベッドの中でそう誓いました。

 

まあ、こんなのは序の口で、30歳で家を出るまで筆舌に尽くしがたい精神的虐待を受けましたわ(^◇^;。

「お母さんの理想の家庭が実現しなかったのは、全部アンタのせい!

 アンタの性格が悪いせい!

 アンタが全部ダメにした!」

 

・・・知らんがな。

 

何度も家を出ようとしましたが、その度に邪魔をされ、やっと「お前なんか出て行け!」と言ってもらえたのが30歳の時。

「ああ、これで私は自由に生きられる!」

もう、大喜びでスキップしながら出てきちゃいましたよ(^^)。

両親は、私が「家に置いて下さい」と泣いて謝ってくるのを楽しみに待っていたようですが・・・。

 

一人暮らしを始めたら絶対にやりたいことの一つが、「年末年始を自由に過ごすこと」でした。大掃除したければすれば良いし、お雑煮やおせち料理を食べたければ買うなり作るなりすれば良い。

 

だけど、イヤなら無理してやらなくて良い。

 

以前は土日祝日休みの会社に勤めていましたので、大掃除は毎年5月3日と11月3日と決め、年末は普通程度の掃除で済ませました。今は祝日休みではないので、大体その頃の週末にやっています。お雑煮やおせち料理は作った年もあり、元旦からトースト焼いて食べてる年もあり(今年がそう)です。

 

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社会人ですので、もちろん世間に合わせるべき所は合わせます。

年中行事とか伝統を守る生き方を、決して否定はしませんし、むしろ尊敬します。

けれど、「普通そうすべきだから」という理屈を、自分のプライベートには当てはめない・・・。

そう決めたら、生きるのが本当に楽になりました(^^)。

人間として壊れてまでやらなくちゃならない事なんて、この世には無いはずなのですから。

 

読んで下さってありがとうございます。